カラダブログ

ロサンゼルスで「食と栄養」を支える登録栄養士 ~Yoko TAKASHINA~

2024年01月29日

【  仕事からリセットできる、オン・オフの使い分けが成功の秘訣 】

 現在、ロサンゼルスで米国登録栄養士として活躍している高科陽子先生。英語で学んだ化学の授業がきっかけで、栄養のエキスパートの道を選び、日々研鑽されています。オン・オフを上手に使い分けた、Yoko先生のサスティナブルな働き方をご紹介します。


■高科 陽子 先生のプロフィール
出身地:大阪府  
現在の住所:アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス都パサデナ市
学歴: 大学院栄養学理学科修士
趣味:友達とピクニックしながら、ワインを楽しむこと。

職歴:米国登録栄養士、米国NST専門療法士、カリフォルニア・チルドレンズ・サービスパネル(California Children's Service Panel)認定栄養士、元臓器移植専門認定栄養士。外資系企業を退職後、渡米。一から学生に戻り、短大、大学、インターンシップを得て、米国登録栄養士の資格を習得する。その後、働きながら大学院の授業をとり、理学修士を修了。大学医学部附属病院、高度専門医療手術センターや、地域救命救急病院などの、様々な部位別ICU、外来クリニックなどを担当後、近年は単/多臓器移植チームや小児科胃腸病医療チームに従事する。現在は.NICU(新生児ICU)医療チームに所属。超急性期ケアから、NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)、術後リハビリ、小児ケアに渡り、発症から生活復帰まで、医学的栄養療法(Medical Nutrition Therapy - MNT)に基づき、患者の「食と栄養」を支える。



高科 陽子先生(米国登録栄養士としてロサンゼルスで勤務)

聞き役(中東真紀:カラダノミライ研究所 代表)

【中東】高科先生、今日はどうぞ宜しくお願いいたします。さっそくですが、高科先生がロサンゼルスに行かれたきっかけは何ですか?

【Yoko TAKASHINA】きっかけは、もう少しきちんと英語を勉強したいな、という単純な理由でした。勤め先のコンサルタントが全員、海外の有名大学出身だったこともあり、仕事をしながら、自分の語学力のなさを毎日痛感していたのです。ロサンゼルスには、うちの本社がありましたので、部長の勧めで、こちらに来たというわけです。

【中東】それは、素晴らしい職場でしたね。語学力は視野を広めますね。その中で栄養士の仕事を選んだ理由を教えてください。

【Yoko TAKASHINA】実は、日本の化学の授業は、あまり面白くなかったのですが、アメリカの授業で、たった4つの化学元素『酸素、炭素、水素、窒素』が、人体全体の95パーセント以上を占めていることを英語で学んだとき、一瞬で視界がクリアになったような衝撃を受けました。人間が健康を保つために、欠くことのできない、この4つの元素たちを、私たちは「食物と水」という有機・無機化合物で摂取しています。水は、もちろん大切ですが、食物から摂れる栄養素が、吸収され、化学変化で分解され、人体で利用され、再活用されたり、不要なものは排出されたりしながら、最終的に、元素同士のバランス・割合を保っている、これは感動しました。様々な授業をとって、このプロセスを英語で勉強していった結果、栄養のエキスパートになるのが、私の目標になったというわけです。

【中東】栄養素の代謝は、化学反応の連続ですね。ここに興味を持たれて「栄養士」になられた方は少ないと思います。非常に面白い着眼点ですね。高科先生は、ずっとロサンゼルスで米国登録栄養士として働かれていますよね。アメリカの栄養士は、日本の栄養士と比べると、どんな違いがありますか?

【Yoko TAKASHINA】アメリカの「登録栄養士」は、日本の「管理栄養士」と似ていて、病気を持つ患者さんのケアができます。日本の国家資格でない「栄養士」という仕事に近いのは、「Diet Technician」という資格を持っている人たちの仕事です。これも国家資格ではありますが、『登録栄養士』と違い、病気を持った方への栄養指導や、栄養アセスメント以外の仕事で、患者さんへのケアができます。給食・病院食などの食事は、専門の調理師たちがいるので、学校も病院も、栄養士が食事を作る、というのはありません。あと、今年2024年1月より、「登録栄養士」の最低学歴は、大学院卒が条件となりました。これも、大きな違いだと思います。

【中東】なるほど、わかりやすく説明していただき、ありがとうございます。日本では、一般の方は管理栄養士と栄養士の違いは、まったく知らないと思います。医師や医療系のスタッフでさえ、管理栄養士、栄養士がどんな仕事をしているのか、理解している方は少ないですね。アメリカの「ダイエット・テクニシャン」は、フードサービス業務をしていると考えて宜しいでしょうか。「登録栄養士」は、どうですか?

【Yoko TAKASHINA】「登録栄養士」になったのち、大きく4つの職場に分かれて、所属することができます。博士まで修めて、大学教授として教員に立つ。インターンシップのプログラムdirectorやassistant directorになる。学校区内の生徒の栄養管理を、Directorや、Assistant Directorとしてする。専門資格を所得して、スポーツ栄養士になる。国や軍に所属する栄養士になる。企業に就職し、wellness programの栄養士になる。病院のfood service department directorかassistant director、その他のfood service部門の管理職を勤める。私のように、病院の患者さん向けの臨床栄養士になる(入院と外来クリニック、介護ケアを含む)か、その栄養士チームの管理職になる。といったところです。私の知る限り、「ダイエット・テクニシャン」の栄養士の方々は、フードサービス業に就いたりしますが、患者さんに会いに行って、基本的な栄養指導(個別に対応をしない栄養指導)をしたりもできます。ただし、「登録栄養士」のもとで働く形になります。

【中東】高科先生、アメリカの「登録栄養士」の業務は多方面で重要な役割を果たしていますね。マイケル・J・フォックスが、映画の中で「自分の専任栄養士がいる」と言っていました。アメリカでは必要とされているのがわかりますね。日本の管理栄養士、栄養士ともに、必要とされる存在になりたいです。ところで、仕事以外のときは、ロサンゼルスでの休暇は何を楽しまれていますか?

【Yoko TAKASHINA】「スポーツ!」と言いたいところですが、私は、スポーツが全然できないので、それ以外で、友人とFarmers’ marketに行ったり、ビーチに行ったり、ワイナリーに出かけたり、人気のカフェに行ったり、などが、ストレス解消方法です。一人でもできることも好きです。美味しいものを食べて、お笑い番組で笑って、速攻寝る。犬と一緒にボーッとする。苦手だけど、レシピ通りに料理を作ってみるのも、解消方法です。ストレスの時は、down spiralに陥りやすので、ストレスの原因から離れた外の環境に、自分をおいてみたりして、自分の悩みは結構小さかったなと確認し、また前を向く作業をするのがストレス解消のキーポイントになっています。

【中東】ストレスの原因から離れた外の環境に身を置くこと、とっても大切ですね。私も以前は、犬を飼っていましたので、とても癒されていました。仕事からリセットできる環境をつくることが重要なポイントですね。ありがとうございます。普段の食事や栄養については、どんなところに気を付けていますか?

【Yoko TAKASHINA】摂食障害専門の栄養士仲間のアドバイスで、「栄養士は、太っていても痩せていても、栄養指導に説得力がない」のを参考に、中肉中背であることを、心がけています。Plate method (https://www.cdc.gov/diabetes/managing/eat-well/meal-plan-method.html) と言う、糖尿病向けの食事方法があるのですが、簡単なので、毎日1−2食は、それを実行しています。食べ物は、20分くらいかけて、よく噛み、最低でも1食は、携帯、テレビ、モニターを見ないことにしています。朝起きた時に、コップ一杯の水を飲み、清涼・ダイエット飲料は、飲まないです。お酒を飲む時は、飲んだ分の2〜3倍の水を飲むようにしています。スナック菓子は、小皿に入れて。甘いお菓子は、コービーと一緒に、朝食時に食べます。自分に合った食事方法を、毎日『なるべく』80~90%の達成率を目指してするのが、気をつけていることです。

【中東】栄養士は理想的なBodyであること、素晴らしいですね。Plate method、拝見しました。プレート法はわかりやすくて、毎日の食事の参考になりますね。ロサンゼルスでの食事情は、どんなですか?

【Yoko TAKASHINA】一般事情としてですが、西海岸ロサンゼルスでは、健康意識の高い人口層が多いので、オーガニックや、ヴィーガン、グルテンフリーを提供するレストランが、価格の割に人気があります。ファーマーズ・マーケットは、1つの街につき毎週1~2カ所で開かれています。比較的に手頃な価格設定で、健康的な食品を取り揃えているストアや、オンラインストアもあります。病気を抱えている人の為の、特別な食品・調味料・premade mealを購入できるオンラインストアもあります。若いYouTuberや個人評論家などが、大手スパーマーケットや食品ストアに出向いて、どの食品が健康的で、添加物が入っていないか、もしくは極力少ないか、質の割に価格は高いか手頃か、などの検証を、店内の商品を使って、実際にしているビデオも見られます。コストは高いですが、選択肢が非常に多く、多種多様であるのが印象です。

【中東】ファーマーズ・マーケットは、とても魅力的です。いろいろ見て回りたいですね。最近は日本でも、若い女性の間でヴィーガン食が人気です。SNSなどでも素敵なレシピが紹介されていますね。また、健康に気を付ける若者が増えてきたように思います。最後に、米国登録栄養士として、今後何かやってみたいことはありますか?

【Yoko TAKASHINA】臨床栄養士として、こちらで学んだ「医療と共にある栄養療法―medical nutrition therapy」を通して、もっと多くの人の、お役に立てられれば良いなと思っています。皆さんが、ご自分の健康を考える上で、「栄養のバランス」も考慮に入れることは、大切なことだと思うからです。そのために、私に何がお手伝いできるのか、只今考え中です。いつか皆さんと何らかの機会で、繋がっていけたらいいなと思っています。

【中東】それは素晴らしいです。是非ともお願いいたします。本日は、貴重なお時間をありがとうございました。今後も、ロサンゼルスからの情報を楽しみにしています。


ロサンゼルス近郊のサンタバーバラ郡のビーチ、車で1−2時間。


ロサンゼルス郡から車で4時間で行ける、娯楽の街ラスベガス。


Yokoさんの愛犬Ace (エース)。サンタバーバラ近郊のワイナリーの庭で。ワイナリーでテイスティング中、犬の同伴が可能である。


Temecula市のPalumbo Family Vineyard(パルンボファミリーブドウ畑)のワイナリー。Yoko先生はここの会員です。
      

このお店は、Palm Springs(パームスプリングス)市という小さな温泉の街にある、Spencer‘s (スペンサーズ)というアメリカンレストラン。


Wakeboard に来た湖は、Lake Havasu(ハバス湖)。ロスアンゼルス市から、車で約5時間弱です。
       

ここは、Lake Michigan (ミシガン湖)の湖畔。シカゴを訪れた時に撮りました。


毎年3月に全米でキャンペーンされる、National Nutrition Month の時に、栄養士さんを労うために、マネージャーがくれた、ファーマーズマーケットで買った果物や野菜のプレゼントです。
      

雨上がり、虹の掛かるロサンゼルス市街。

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